中村医師は何故襲われたのか、誰に?危険なアフガニスタンとは!
アフガニスタンNPOペルシャワール会の医師「中村哲」医師が、先日、アフガニスタンに死去されました。
いったい誰が、何故、中村哲医師を襲ったのでしょうか。
中村哲医師の人物像と共にその真相に迫ります。
また、危険といわれるアフガニスタンの地。
そこで今どのようなことが起きているのか、現地の情勢についても。
中村哲医師の行った功績も含めご紹介します。
■中村哲医師:人物像と今回の事件について
<中村哲(医師)プロフィール>
名 前:中村 哲(なかむら てつ)
生 誕:1946年9月15日
死 没:2019年12月4日(73歳没)
出 身:福岡県福岡市
出身高校:福岡県立福岡高等学校
最終学歴:九州大学医学部卒業
大学卒業後、国内病院に勤務した中村哲医師は、のちにパキスタン・ペルシャワールへと赴任します。
以来、長年に渡り医療活動に従事し、特にパキスタン・アフガニスタン地域では長く活動してきました。
特に医師のいない山岳地帯で主に活動していたそうです。
しかし、ある年にアフガニスタンの大干ばつを目の当たりにし「医療だけでは人の命は救えない」と確信。
「きれいな水があれば病気にならない」との考えにいたり、水を得ることで農業ができるようになれば貧困がなくなり紛争はなくなると、用水路の建設に乗り出しました。
それ以降、医師であるにも関わらず「井戸の掘削・用水路」などに携わり、結果、草木のなかった枯渇地帯に水を引くことに成功。
作物など育てることなどできないと思われていた土地に田畑を作り上げることができました。
中村哲医師は、このような地道な活動の重ね、地元の人たちと信頼関係を構築いったといいます。
<アフガニスタン中村哲医師襲撃事件>
それは現地時間4日午前8時頃のことだったといいます。
自宅から活動先へと向かう途中、中村哲医師が数人の何者かに襲撃され胸を撃たれました。
同行していたボディーガード・ドライバー・通行人らも含め5人が死亡。
当初、中村哲医師は意識があったといいますが、病院へ搬送される途中で亡くなられたそうです。
現時点での犯人は不明ですが、アフガニスタン・ガニ大統領はこの事件をテロと断定。
今後の捜査の進展が待たれるところです(アフガニスタンの反政府勢力タリバンは関与を否定しているといいます)。
現地では、これまでのアフガニスタンへの大いなる貢献に感謝し、中村哲医師の追悼集会が行われました。
現在、中村哲医師のご遺体は首都カブールに移送され、厳重な管理の元、安置されているそうです。
■アフガニスタンの現状
アフガニスタンの崩壊の始まりは、1979年のソ連軍侵略まで遡ります。
それからもう何十年…侵略や内戦が続き混乱状態にありました。
現在もその状況は何一つ変わっておらず、それは多くの国民に影響を与え苦しむ原因となっています。
水・食料・住居といった生活に必要なものは何一つ揃わない状態で、国民は貧困に喘ぎ、多くはパキスタンやイランの周辺諸国へと難民として流出。
移動できない者たちは、国内に留まり国内難民として暮らしています。
内戦や紛争が続く状況下であることから多くの兵士が死亡していますが、問題はそれ以上に死亡率の高い子どもと女性の存在です。
子どもたちは、慢性的な食糧不足と衛生面の悪さから感染症にかかりやすくなり、そこから命を落とす可能性が高く…。
また、女性は妊娠によって命を失う可能性が高い状態にあります。
そんな状況下でも空爆など破壊行為は続きます。
それにより、医療や教育といった分野まで破壊されていくといった現状のため、治療したくても治療する場所もない、教育を受けたくても教育を受けるチャンスもない状態に。
それを助けているのが、中村哲医師らのような存在の方々たちなわけですが、それをアフガニスタンの「治安の悪さ」という問題が妨げます。
安定しているように見える場所でも爆撃や襲撃は横行。
記憶に新しいところでは、副大統領の暗殺がありました。
アフガニスタンではまだまだ生活基盤ができていないことから、多くの助けを必要としているわけですが、このような問題が全てを阻んでしまっています。
他にも問題はたくさんあります。
例えば「人権問題・テロへの関与・麻薬栽培」など。
人権問題に関しては、特に「女性に対する抑圧政策」が問題に。
テロに関しては、過去、ソ連軍がアフガニスタンに駐留した時代に米CIAによって建設されたという「ゲリラ訓練施設」が現存しているといわれており、それがテロ事件に結びついているといわれているようです。
麻薬問題に至っては、アフガニスタン、パキスタン、イラン一帯が世界最大のケシ栽培地域となって
いるという状況が問題視されています。
他にも、無数に埋められている「対人地雷」が大きな問題に。
これが国内の安全・復興の大きな妨げとして存在しています。
■まとめ
今回は、中村哲医師の襲撃原因と危険といわれるアフガニスタンの現状についてご紹介しました。
中村哲医師が「何故襲われたのか」「誰に襲われたのか」については詳しく分かっていません。
ただ、アフガニスタン・ガニ大統領は「テロ」と断定し捜査を行っているということです。
アフガニスタンの現状は、今も昔も混乱状態にあります。
国民は必要最低限の暮らしもままならない状況に…。
いったいこのような状況がいつまで続くのでしょうか。
平和な日々が訪れることを切に願うばかりです。